2020年12月22日火曜日

黄実千両

 キミノセンリョウとは?





学名:Sarcandra glabra
和名:キミノセンリョウ(黄実千両)
別名:クササンゴ(草珊瑚)、タケフシソウ(竹節草)
科属:センリョウ科、センリョウ属
開花期:6月~9月
鑑賞期:11月~2月
花言葉:利益、裕福、財産、恵まれた才能、可憐



特徴:


 赤い実のセンリョウは縁起物として正月飾りに利用されている。本種は実が赤く熟すセンリョウの変異種であるとされている。

 最大でも150cmほどまでの高さにしか成長しないが、その代わりに毎年地下茎から新芽が発生してボリューム感のある樹形となる。

 花言葉の由来はたくさんの実をつける姿からや、鋸歯葉が対生し端正で美しい見た目などに由来すると言われている。


栽培方法:


 日当たりの良い場所に植えてしまうと夏の日差しで葉焼けを起こしてしまうので、地植えにする場合は明るい日陰に植えると良い。うちでは家の横ちょと裏に植わっている。

 100cmを超える高さになった枝は地際まで切り戻し、地下茎からの新しい枝に光や風が十分に当たるようにしてやると実つきも良くなる。

 関東南部では植える場所を間違えなければ、夏冬ともに特別な管理を必要とはしない。害虫がついたところも見たことはないが、熟した実は鳥が好んで食べるので必要に応じて不織布をかぶせるなどの防除をすると良い。

 こぼれ種や切り戻した古い枝で挿し木をするなど、簡単に株を増やすことができる。実生の場合は果肉を取り除かないと果肉の発芽抑制物質のせいでなかなか発芽しない。



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2020年11月10日火曜日

犬酸漿

 イヌホオズキとは?




学名:Solanum nigrum
和名:イヌホオズキ(犬酸漿)
別名:バカナス
科属:ナス科、ナス属
開花期:8月~10月
花言葉:嘘、真実


特徴:


 茎が真っ直ぐにスッと立つ様や花の形状は同じ科のホオズキやトウガラシと似ていて、役に立たない(イヌ)ホオズキという名前の由来になったと考えられている。なお、名前にホオズキとつくが写真の通り果実は萼に包まれず裸の状態でみのる。

 黒い果実には「ソラニン」という毒が含まれている。ジャガイモの芽などにも多く含まれる成分で、溶血作用により「頭痛」「嘔吐」「下痢」などの中毒症状を起こす。また、大量に摂取すると死亡にいたるという。

 以上の理由から内服薬としての利用は避けられているが、外用薬としてヘルペスなどの腫れ物の治療に使われた歴史があるようだ。

 イヌホオズキという名前がつく類縁種はいくつかあるようだが、果実に光沢がないものはただ「イヌホオズキ」と呼ばれている本種だけのようだ。




生育環境:


 世界規模では温帯から熱帯に幅広く分布し日本では全土に分布する一年草のはずだが、我が家に生えてきた個体は本葉が2枚ほどの状態で越冬し、秋口には30cmほどまでに成長して花をつけた。十分に株が成長した状態で次の冬を越せるのか見ものだ。

 生えている場所は柿の木で半日陰となる紫蘭が植えられているプランターで、葉には絵描き虫がよく入っているが実つきもよく強健な印象の雑草だ。

 今後は落花した実からどの程度発芽して他の植物の成長の妨げになるのか、注意して見守ろうと思う。



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特徴で毒があり食用できないと書いたが、品種によっ
てはジャムにすれば食用にできるようだ……。


2020年10月8日木曜日

白藜

 シロザとは?





学名:Chenopodium album
和名:シロザ(白藜)
科属:アカザ科(ヒユ科)、アカザ属
開花期:9月~10月
花言葉:結ばれた約束


特徴:


 茎は硬く丈夫で直立し、1m以上にも成長する。若葉には粉状の細かい毛が生えており、淡く白味がかって見える。

 近縁種に科属の名前にもなっているアカザがあるが、シロザのほうが原種で、アカザのほうが変種だとされている。シロザとアカザの違いは名前の通り色による見分けが容易にでき、アカザは頂部の若葉が濃い赤紫色をしている。

 アカザ科の仲間にはホウレンソウがあるが、シロザとアカザも食用することができる。成熟した葉はかたくなってしまい食用には向かないようだが、若葉はホウレンソウと同じようにお浸しなどにして食用することができるようだ。種子も佃煮にしてふりかけに利用できるらしい。


生育状況など:


 春先にうっすらと白いミントグリーンの双葉が力強く芽吹いたの見つけたので、ポットに保護して経過を見ていた。

 夏場は強い日差しにより頭が垂れることもしばしばあったが、頭頂部の芽は枯れることはなかった。

 花が咲き、この植物の名前がやっと判明した。

 花が咲く頃になるとポット内は根詰まり状態になり、ポットがガチガチになるほど固くなっているが、根詰まりにより枯れてしまうような兆候は見られない。

 無肥料無農薬の農地を立ち上げるにあたって、このような強健な食べられる雑草の栽培から始めるのも面白いかもしれない。ちなみに虫による食害は全くなかった。

 また、丈夫な茎にも利用価値がありそうだ。葉はそれほど繁るようには感じられなかったので、例えばナスの支柱として同時栽培も可能かもしれない。



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2020年10月3日土曜日

2020年9月のまとめ

 9月の出来事まとめ




 インビトロプランツだったランを植え替えて放おっておいた培地から、たくさんのネジバナと思われる芽が出てきていた。(売るほどあるな……しめしめ。)
 もともと植えてあったのは矢印のデンファレっぽいものしか残っていない。



 アルブカを先月末に植え替えた時に出た球根の端材で、葉挿ししておいたものに芽が形成され始めた。



 まだ記事化していない植物のモニラニア。夏期休眠から明けて、緑の頭が伸びてきた!



 正体不明で春から観察を続けていた雑草に花が咲いた。画像検索をしたところ「シロザ」という名前らしい。今後記事化予定。



 これもまだ記事化していないリトープスという多肉植物。葉の切れ込み部分が裂けて新しい葉が出てくると、古い葉は徐々に萎んでいきカラカラになってしまう。その新しい葉が出る時に2対だったものが4対に「分頭」し手狭になっていたので、成長期に入る前に植え替えた。

2020年9月21日月曜日

紫蘇

 シソとは?





学名:Perilla frutescens var. crispa
和名:紫蘇(シソ)
科属:シソ科、シソ属
開花期:9月~10月
花言葉:善良な家風、蘇る力
漢方名:蘇葉(赤紫蘇の葉)、紫蘇子(種子)、蘇梗(茎)


特徴:


 原産地は中国の南部で、「紫蘇」というのは漢名に由来する。カニを食べすぎて食中毒になった人が煎じて飲んだところ回復した逸話から、「紫の葉の植物で蘇った」ということで「紫蘇」と名付けられたという。

 名前の由来からも窺えるが、シソとは本来「赤い葉のシソ」のことを指す。緑色の葉の「青ジソ」は赤ジソの変異種であるとされている。

 シソには多くの品種があり、それらの間で交雑し雑種が生まれやすい。また近縁種のエゴマとも交雑しやすいという。

 食用に利用されることが多い品種は「青ジソ」と「赤ジソ」で、葉が柔らかくて縮れていないので噛み切りやすく口に残りにくい品種が選ばれている。また、花が半分くらい咲いた頃に摘み取った「穂紫蘇」や、先端の花が散り始めた頃に摘み取った「実紫蘇」、双葉が開いた頃に間引いた新芽の「芽紫蘇」も食用に利用される。

 近縁種にエゴマがあることからも想像できるが、シソの種子からも油を絞ることが出来る。エゴマ油と同様にシソ油にも α-リノレン酸が多く含まれ、身体に吸収されるとEPAやDHAに変化し、様々な身体に良いとされる効果が得られる。


栄養素:


 野菜の中でもグラムあたりの栄養素が群を抜いて優れているといわれているものがいくつかあり、β-カロテン・カルシウム・ビタミンB1は特に多いとされている。しかしそんなに量を食べるような品目ではなく、文献では日常的に食べる機会を増やすことを勧めているものが多数ある。

 シソ特有の成分としては、独特の香りのもとになっている「ペリルアルデヒド」があげられる。ペリルアルデヒドは α-リノレン酸と同様に抗酸化作用がある。

 ペリルアルデヒドの効能はもう一つあり、それは防腐・殺菌作用を持つことだ。しかしその作用は5~10%ほどの食塩と合わせなければ効果が得られないそうで、魚の刺し身の飾りのような使い方では効果を発揮できない。

 刺し身に添えられるのには他に理由がある。アニサキスに対して殺虫効果があり、さらにはアニサキスによる胃痛を防ぐ効果があるという。


プランターに生えた雑草化したシソ。本葉が2枚しか出ていないが逞しくも開花した。


生育環境:


 とくになにかするわけでもなく、そこら辺にこぼれた種子から発芽して生えている。本葉が数枚で5cmにも満たない株でも花が咲くようすは、雑草並みに生命力の強さを感じる。

 基本的には他の多くの植物と同様、日当たりがよく風通しの良い場所が栽培に適しているとされている。

 青ジソの方は害虫がつきやすく、我が家では「ハマキムシ」に次いで「ヨトウムシ」がつきやすいと感じる。赤ジソのほうは比較的、虫がつきにくいとされている。



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2020年9月18日金曜日

蟹草

 蟹草とは?





学名:Lygodium japonicum
和名:カニクサ(蟹草)
別名:シャミセンカズラ(三味線葛)、ツルシノブ(鶴忍)
科属:フサシダ科、カニクサ属
薬効:利尿


特徴:


 シダの仲間にしてはめずらしいツル性のシダである。胞子葉の形がシダの仲間であるシノブに似ていることから、ツルシノブと呼ばれることもある。カニクサと名前がついたのは、子供がサワガニなどを釣って遊ぶのに利用したことが由来となっている。

 ツルのように伸びる部分は茎ではなく葉の一部であり、そのツル状の葉軸は2m以上も他の植物に絡みつきながら伸びることもある。本当の茎は地中にあり、横に短く伸び先端からツルになる葉を出す。

 胞子は「海金砂」とよばれる漢方薬になる。利尿作用があり、淋病や尿路結石の治療に使われたことがあるようだ。


生育環境:


 水を掛けると固まる防草砂の割れ目から生えていて、その場所は半日陰で風通しの良いところだ。

 防草砂の影響で周りに他の植物は少なく、ツルが絡みつく様子は一度しかみたことがない。


フユサンゴに絡みついている様子



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 移植は困難とのことだったが1軒だけ販売していた。

2020年9月14日月曜日

九輪塔

 ハオルチア 九輪塔とは?





学名:Haworthia coarctata var. coarctata f. chalwinii
和名:九輪塔(クリントウ)
科属:ツルボラン科、ハオルチア属
開花期:3月~5月


特徴:


 ハオルチアと呼ばれる数百種類の園芸種がある植物群の一種である。本種はその中でも硬葉系とよばれる透き通った部分がなく、シャープなシルエットの「鷹の爪」という種類の変種とされる。

 園芸種は数百種類もあるといったが、遺伝的には60種ほどに分類することが出来るという説がある。

 ハオルチア属の原産地は南アフリカのケープ地方で、過去の記事にもある通り風が強く乾燥している。自生地では砂礫質の土に半分埋もれたような形で生えているそうで、岩場の陰のような明るい日陰で乾燥している場所を好むようだ。

 直射日光が強いと葉の色が黒く日焼けしてしまう。冬季は赤く紅葉することもあるようだ。


ハオルチアの種類:


 九輪塔は硬葉系だが他に軟葉系があり、それは光を多肉質な葉の中に取り込むための透明部分があり、軟葉系という名の通り葉がプニプニとして弾力があり柔らかい。

代表種:

十二の巻

オブツーサ

レツーサ

万象

玉扇


栽培環境:


 まだ買って一年目で、夏を一回経験しただけだが感じたことも含めて書いていきたいと思う。

 置いてある場所は以前記事化した紅彩閣の横ちょで軒下だ。軟葉系とは違い透明部分がないぶん直射日光には比較的強いようで、昼過ぎまで真夏の直射日光が当たる環境に置いていたが葉焼けが進んだようには見えない。

 紅彩閣は少しも水分が抜けた様子を見せなかったが、九輪塔は下の方の葉が少し萎んだように見えた。そのタイミングで水やりをした。あとは暴風時の雨水くらいしか夏場は水やりをしなかった。

 夏の間はかすかに成長したように見えたが基本的には真夏は休眠期になり、春秋型の多肉植物という情報の通りだと感じた。先端部の成長よりかは、半分土に埋まっている脇芽の成長のほうが大きいと感じた。直射日光による表面温度の違いが表れたものだと考えられる。



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