2020年9月21日月曜日

紫蘇

 シソとは?





学名:Perilla frutescens var. crispa
和名:紫蘇(シソ)
科属:シソ科、シソ属
開花期:9月~10月
花言葉:善良な家風、蘇る力
漢方名:蘇葉(赤紫蘇の葉)、紫蘇子(種子)、蘇梗(茎)


特徴:


 原産地は中国の南部で、「紫蘇」というのは漢名に由来する。カニを食べすぎて食中毒になった人が煎じて飲んだところ回復した逸話から、「紫の葉の植物で蘇った」ということで「紫蘇」と名付けられたという。

 名前の由来からも窺えるが、シソとは本来「赤い葉のシソ」のことを指す。緑色の葉の「青ジソ」は赤ジソの変異種であるとされている。

 シソには多くの品種があり、それらの間で交雑し雑種が生まれやすい。また近縁種のエゴマとも交雑しやすいという。

 食用に利用されることが多い品種は「青ジソ」と「赤ジソ」で、葉が柔らかくて縮れていないので噛み切りやすく口に残りにくい品種が選ばれている。また、花が半分くらい咲いた頃に摘み取った「穂紫蘇」や、先端の花が散り始めた頃に摘み取った「実紫蘇」、双葉が開いた頃に間引いた新芽の「芽紫蘇」も食用に利用される。

 近縁種にエゴマがあることからも想像できるが、シソの種子からも油を絞ることが出来る。エゴマ油と同様にシソ油にも α-リノレン酸が多く含まれ、身体に吸収されるとEPAやDHAに変化し、様々な身体に良いとされる効果が得られる。


栄養素:


 野菜の中でもグラムあたりの栄養素が群を抜いて優れているといわれているものがいくつかあり、β-カロテン・カルシウム・ビタミンB1は特に多いとされている。しかしそんなに量を食べるような品目ではなく、文献では日常的に食べる機会を増やすことを勧めているものが多数ある。

 シソ特有の成分としては、独特の香りのもとになっている「ペリルアルデヒド」があげられる。ペリルアルデヒドは α-リノレン酸と同様に抗酸化作用がある。

 ペリルアルデヒドの効能はもう一つあり、それは防腐・殺菌作用を持つことだ。しかしその作用は5~10%ほどの食塩と合わせなければ効果が得られないそうで、魚の刺し身の飾りのような使い方では効果を発揮できない。

 刺し身に添えられるのには他に理由がある。アニサキスに対して殺虫効果があり、さらにはアニサキスによる胃痛を防ぐ効果があるという。


プランターに生えた雑草化したシソ。本葉が2枚しか出ていないが逞しくも開花した。


生育環境:


 とくになにかするわけでもなく、そこら辺にこぼれた種子から発芽して生えている。本葉が数枚で5cmにも満たない株でも花が咲くようすは、雑草並みに生命力の強さを感じる。

 基本的には他の多くの植物と同様、日当たりがよく風通しの良い場所が栽培に適しているとされている。

 青ジソの方は害虫がつきやすく、我が家では「ハマキムシ」に次いで「ヨトウムシ」がつきやすいと感じる。赤ジソのほうは比較的、虫がつきにくいとされている。



通販の紹介

2020年9月18日金曜日

蟹草

 蟹草とは?





学名:Lygodium japonicum
和名:カニクサ(蟹草)
別名:シャミセンカズラ(三味線葛)、ツルシノブ(鶴忍)
科属:フサシダ科、カニクサ属
薬効:利尿


特徴:


 シダの仲間にしてはめずらしいツル性のシダである。胞子葉の形がシダの仲間であるシノブに似ていることから、ツルシノブと呼ばれることもある。カニクサと名前がついたのは、子供がサワガニなどを釣って遊ぶのに利用したことが由来となっている。

 ツルのように伸びる部分は茎ではなく葉の一部であり、そのツル状の葉軸は2m以上も他の植物に絡みつきながら伸びることもある。本当の茎は地中にあり、横に短く伸び先端からツルになる葉を出す。

 胞子は「海金砂」とよばれる漢方薬になる。利尿作用があり、淋病や尿路結石の治療に使われたことがあるようだ。


生育環境:


 水を掛けると固まる防草砂の割れ目から生えていて、その場所は半日陰で風通しの良いところだ。

 防草砂の影響で周りに他の植物は少なく、ツルが絡みつく様子は一度しかみたことがない。


フユサンゴに絡みついている様子



通販の紹介:


 移植は困難とのことだったが1軒だけ販売していた。

2020年9月14日月曜日

九輪塔

 ハオルチア 九輪塔とは?





学名:Haworthia coarctata var. coarctata f. chalwinii
和名:九輪塔(クリントウ)
科属:ツルボラン科、ハオルチア属
開花期:3月~5月


特徴:


 ハオルチアと呼ばれる数百種類の園芸種がある植物群の一種である。本種はその中でも硬葉系とよばれる透き通った部分がなく、シャープなシルエットの「鷹の爪」という種類の変種とされる。

 園芸種は数百種類もあるといったが、遺伝的には60種ほどに分類することが出来るという説がある。

 ハオルチア属の原産地は南アフリカのケープ地方で、過去の記事にもある通り風が強く乾燥している。自生地では砂礫質の土に半分埋もれたような形で生えているそうで、岩場の陰のような明るい日陰で乾燥している場所を好むようだ。

 直射日光が強いと葉の色が黒く日焼けしてしまう。冬季は赤く紅葉することもあるようだ。


ハオルチアの種類:


 九輪塔は硬葉系だが他に軟葉系があり、それは光を多肉質な葉の中に取り込むための透明部分があり、軟葉系という名の通り葉がプニプニとして弾力があり柔らかい。

代表種:

十二の巻

オブツーサ

レツーサ

万象

玉扇


栽培環境:


 まだ買って一年目で、夏を一回経験しただけだが感じたことも含めて書いていきたいと思う。

 置いてある場所は以前記事化した紅彩閣の横ちょで軒下だ。軟葉系とは違い透明部分がないぶん直射日光には比較的強いようで、昼過ぎまで真夏の直射日光が当たる環境に置いていたが葉焼けが進んだようには見えない。

 紅彩閣は少しも水分が抜けた様子を見せなかったが、九輪塔は下の方の葉が少し萎んだように見えた。そのタイミングで水やりをした。あとは暴風時の雨水くらいしか夏場は水やりをしなかった。

 夏の間はかすかに成長したように見えたが基本的には真夏は休眠期になり、春秋型の多肉植物という情報の通りだと感じた。先端部の成長よりかは、半分土に埋まっている脇芽の成長のほうが大きいと感じた。直射日光による表面温度の違いが表れたものだと考えられる。



通販の紹介:


2020年9月12日土曜日

コムラサキ

 コムラサキとは?





学名:Callicarpa dichotoma
和名:コムラサキ(小紫)
別名:コシキブ(小式部)
科属:シソ科、ムラサキシキブ属
開花期:6月~7月
色づき:9月~10月
花言葉:気品、知性、聡明


特徴:


 ムラサキシキブとよく間違えられる。筆者も記事化するにあたって調べたところ、本種がコムラサキだと知った。一番わかり易い見分け方は葉の形状で、ムラサキシキブは全周に渡りギザギザの鋸葉だが、コムラサキは先の半分ほどしかギザギザしていない。あと枝が枝垂れやすく、実が多くつき見栄えが良い。

 名前の由来は別種のムラサキシキブを小さくしたような外見からきている。本種はムラサキシキブに比べ樹高が低く、葉も小さめである。

 花言葉の由来は、実がツヤツヤとし鮮やかで神秘的な色合いの美しい様からきている。花言葉の由来とは関係ないが、薄い桃色の花が細かく咲いているさまは可愛らしい。

 枝に実だけを残し、ドライフラワーとして利用されることもあるようだ。映えそうな枝があったら試してみたいと思う。





花柄の付け根もムラサキシキブとは位置が違うらしいが、見比べないと分からないと判断した。


栽培環境:


 鉢植えから勝手に生えてきて以来、剪定しかしていないが根詰まりで弱ったような様子は感じられない。何度も切り戻しをして株元が塊根植物のようになってしまっている。

 置き場所は野外で、日当たりの良いところに置き水切れに注意をしていれば問題なく育つようだ。夏場は日が当たりすぎない場所に置いたほうが良い。

 剪定は芽吹く頃から実がなる頃まで随時行なって問題ない。落葉し休眠した冬場には枝先が枯れ、剪定をしてしまうと枯れ込みが大きくなってしまうので冬場には剪定はしないほうが良い。休眠期に剪定をしたほうが良いとする説のほうが多い。



通販の紹介:


2020年9月9日水曜日

ユーフォルビア・エノプラ

 ユーフォルビア・エノプラとは?





学名:Euphorbia enopla
和名:コウサイカク(紅彩閣)
科属:トウダイグサ科、ユーフォルビア属
開花期:3月~5月


特徴:


 一見トゲがありサボテンのように見えるが、サボテンとは違うらしい。サボテンのトゲは葉が変化したものだといわれていて、トゲの付け根に「刺座」と呼ばれる器官があるという。対して本種のトゲは花梗(かこう)・花柄が変化したもので、トゲの付け根には「花座」という器官があるらしい。実際本種を画像検索すると、トゲと同じように生えた花柄から花が咲いている画像がヒットする。若いトゲは花柄と同じ赤色をしている。

 原産は南アフリカのケープ地方で、多分にもれずユニークな見た目をしている。脇芽が出やすくそれを使った株分けでの繁殖も容易だが、なるべく自然樹形のまま成長させたほうが見応えがあり面白い。

 株を傷つけると白い粘液が出てくる。その粘液は凝固しやすく、植物本体から水分が抜けたり細菌に汚染されるのを防ぐ役割がある。動物に対しても毒性があり、手で触るとかぶれたり、粘膜に触れると痛い思いをするかもしれない。

 雌雄は異株で、我が家にある個体はまだどちらかは不明だ。


栽培環境:


 買ってからまだ一年目なので置き場所は屋外の軒下で様子を見ている。お昼過ぎくらいには日陰になり、雨が降ると風が強い場合は雨に当たるくらいの場所だ。

 夏型多肉と紹介されているサイトが多数あるが、筆者が観察している感じでは夏は休眠期だと感じた。理由は新しいトゲが作られず、成長していないように見えたからだ。なので筆者の体感では、多くのサボテンと同じで春秋型の多肉植物だと思われる。

 ひと夏の間観察していた感じだと、暑さにはサボテンより強そうだ。サボテンも真夏は休眠するが、シワが深くなったり根本が萎んだり呼吸による水分の揮発が観察できる。しかし紅彩閣にはサボテンのような変化はみられなかった。なので秋に成長を始めるまでほぼ断水状態にしたほうが、根腐れを予防できると考えられる。

 ケープ地方出身の植物なので、基本的には常に土が湿っているのは苦手で、日光と風と乾燥が好きなはずなので、それを意識した管理を心がけている。

 いまのところ害虫はついていないが、カイガラムシがつくことがあるらしい。カイガラムシの駆除は、捕殺をするかマシン油を塗って窒息死させるかすると良い。



通販の紹介:


2020年9月7日月曜日

オニヤブソテツ

 オニヤブソテツとは?





学名:Cyrtomium falcantum (L. fil.) Presl
和名:オニヤブソテツ(鬼藪蘇鉄)
科属:オシダ科、ヤブソテツ属


特徴:


 ヤブソテツの中でも一番身近にあるとされているのが本種である。本種は大きな羽状複葉は7枚からと、ヤブソテツの仲間の中では比較的コンパクトに株がまとまっていることもあり、観葉植物としてよく販売されている。

 ヤブソテツの仲間の中でも本種の一際目立つ特徴は、葉の色がとても濃い濃緑色で、ツヤがとても強い革質であることだろう。非常に力強いエネルギーを感じる見た目である。

 「藪蘇鉄」の名前の由来は蘇鉄のような革質で硬い葉が羽状に広がり、藪に繁るからだという。「鬼」が付く理由は接頭辞の使い方からの想像だが、ツヤが非常に強く金属光沢のようで、鬼のような獰猛な印象を受けることからだと考えられる。


外部リンク:


 オニヤブソテツの近縁種の特徴の違いを、図解で分かりやすく説明しているサイトを見つけたのでリンクを貼り付けておく。

  個別ページへの直リンク・ヤブソテツの仲間①
             ・ヤブソテツの仲間②


胞子葉の裏側の胞子のう群


生育環境:


 我が家では家の横ちょや他の植物の影などに生えていて、イノモトソウに比べると日陰で湿度が高い場所の方が好みのようだ。土質も柔らかな土壌よりかはしっかりと締まった黒土に生えている。

 しかしWikipediaには日なたでよく育ち、乾燥している場所でも大丈夫だと書いてある。



通販の紹介:


2020年9月6日日曜日

イヌマキ

 イヌマキとは?





学名:Podocarpus macrophyllus
和名:イヌマキ(犬槇)
科属:マキ科、マキ属
開花期:5月~6月
花言葉:慈愛、色褪せぬ恋


特徴:


 分類では針葉樹に該当するが、一見葉の見た目からではそうだとは思えない。常緑性の高木で、雌雄異株だ。防火・防風・防音効果があるとされ、特に目隠しと防風目的で生け垣に使われることが多い。

 単純に「マキ」といえば本種を示すが、「イヌ」が付くということはマキに劣ると言う意味がある。「コウヤマキ」というイヌマキより葉が細く松のように美しい葉を出す種を別名「ホンマキ」といい、見た目に劣る本種を「イヌマキ」とした説がある。

 雌株には2連の団子状の実が成るが種子は先端の方にだけ入っており、赤く色づく下の実は花托が変化したもので種子は含まれていない。花托の方は熟せば食べることが出来るようだが、種子には毒が含まれているので誤食に注意が必要だ。

 花言葉の「慈愛」は、昔から生け垣に利用され風や砂から家を守ってくれていたのが由来とされ、寒い冬も緑の葉を保ち続ける様子からは「色褪せぬ恋」の由来とされている。


栽培環境:


 写真の通り鉢植えで栽培している。用土の水はけは良く、大きくならないように切り戻しを何回かしているが植え替えはもう何年もしていない。成長は遅い印象。

 今年は剪定した枝を使い、挿し木で株を増やそうとバーミキュライトの挿し床に何本か挿してある。剪定は休眠期の冬ではなく、3月~10月の生育期に行うのが良いとされている。



通販紹介:


2020年9月3日木曜日

イノモトソウ

 イノモトソウとは?





学名:Pteris multifida
和名:イノモトソウ(井の許草)
科属:イノモトソウ科、イノモトソウ属
花言葉:信頼、愛嬌、平凡な心


特徴:


 石垣の隙間など他の植物が生えづらく、人の生活圏に近いところで繁殖しやすい。その事は名前にも表れていて、”井戸の元に生える草”が名前の由来になるほどだ。

 葉形は栄養葉と胞子葉の2種類があり、地中の短い根茎から伸びていて葉柄は細く針金状だ。栄養葉には縁に鋸刃があり胞子葉には鋸刃はないが、葉柄は長く葉の全長も栄養葉と比較してかなり大きくなる。

 近縁種のオオバイノモトソウなどの斑入りの個体は、園芸種として園芸店で学名の「プテリス」の名前で観葉植物として販売されている。

 花言葉の由来は、木陰などにひっそりと佇んでいる姿からついたらしい。


栄養葉と胞子葉



通販の紹介: