2020年8月31日月曜日

センナリホオズキ

 センナリホオズキとは?





学名:Physalis pubescens
和名:センナリホオズキ(千成酸漿)
科属:ナス科、ホオズキ属
開花期:8月~9月
花言葉:偽り、ごまかし





特徴:


 一般的にホオズキというと萼(がく)が赤くなる観賞用の植物をさすが、本種は萼は赤くならず、果実が熟れてくると萼が枯れはじめ自然落果する。販売されることもあるというが、あるところにはある雑草で、江戸時代に日本に帰化した一年草だ。

 食べることも出来るらしいので筆者が食べてみたところ酸っぱくて食べられなかった。インターネット上にはいちごミルク味とか濃縮したミカンのようだとかココナッツミルクのようとか書いているが、味の評価がバラバラで当てにならない。落果した直後は果実が黄緑色なので、黄色くなるまで追熟が必要なのかもしれない。あと種がいっぱい入っている。後日再チャレンジしてみたいと思う。

 和名の千成の由来は一般的なホオズキに比べて枝分かれが多く、たくさん実がつくことからだ。花言葉の由来はホオズキに共通しているのだが、萼と果実の間の空間が広く、実際の果実が見た目より小さいことから「偽り」「ごまかし」とされる。赤くなるホオズキには他にも多くの花言葉が当てられているようだが、ここでは割愛する。


花は下向きにつくため、よく見るにはめくる必要がある。


栽培環境:


 今年一番生育状態が良い個体は、挿し木用のバーミキュライトしか入れていない培地の個体で、場所は家と家の間で半日陰より日陰で、風通しはまあまあ良好だ。

 理由は不明だが葉が黄色くなる窒素飢餓状態になっておらず、非常に良好な葉色だ。対して例年庭に生えてくる個体は葉がまだらに色抜けしたりして葉が落ちやすく、あまり健康に育ったことはない。

 バーミキュライトの培地には前年に紫蘭の偽球茎が置いてあり根を張っていたから、もしかしたら有意な細菌が潜在しているのかもしれない。



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2020年8月29日土曜日

サルビア・ミクロフィア

 サルビア・ミクロフィアとは?





学名:Salvia microphylla(サルビア・ミクロフィア)
別名:チェリーセージ
科属:シソ科、アキギリ属
開花期:5月~11月
花言葉:燃ゆる思い、知恵、尊重


特徴:


 サルビアと言われると草本植物をイメージすると思うが、本種は低木性の木本植物である。一般には観賞用とされ食用には適さないが、原産地のメキシコではハーブティーの原料に使われることがあるらしい。

 我が家にある種は濃いピンク色の花を咲かせるが、緋色や白や青の単色や、緋色と白の混色の花を咲かせる種類もある。

 ハーブの一種というだけあって葉を揉むと香りがする。香りの感じは、ミントのようなツンとするスパイシーさにチェリーのような酸味と甘味を足したような香りだ。また葉を揉むと少しベタつく。

 花言葉は花色により違うようで、緋色系は色から「燃ゆる思い」。青系は英語のセージ(サルビア)から「知恵」「尊重」だとされている。他の色に個別の花言葉があるかは不明。

 


栽培方法:


 土は一般的な草花用の培養土で問題ない。肥料をあげなくても問題なく育つ丈夫な植物で、根張りの状態により繁殖力に違いが出るように感じる。

 地植えにするとモリモリ育つ。鉢植えの場合でも脇芽も出やすく株の形が荒れやすいので、定期的に枝を整理したり強めの切り戻しをすると良い。

 切った枝で挿し木をすれば簡単に増やすことが出来るが、種子の発芽能力は極めて低く種子による繁殖には向かない。我が家ではこぼれ種が奇跡的に発芽したのを発見したので、ポットに植え替えて育苗中だ。


奇跡的に発芽した実生苗



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2020年8月27日木曜日

コニシキソウ

コニシキソウとは?




学名:Chamaesyce maculata
和名:コニシキソウ(小錦草)
科属:トウダイグサ科、ニシキソウ属
開花期:6月~10月
花言葉:執着、密かな情熱、変わらぬ愛


特徴:


 茎は地に這う地這性だが環境によっては斜上する。北アメリカ原産の一年性帰化植物で雑草である。芝地などに生えやすい雑草のため、検索すると防除法なども結果に反映される。

 写真では判りにくいが、名前の由来は葉の緑と茎の赤の2色に由来する、近縁種の「ニシキソウ」の小さい種類ということ。葉の真ん中に紫色の斑が入ることが多いが、我が家の今年の個体にはうっすらとしかみられない。

 茎を切ると白い液体がでてくる。それを触ると少し粘り気があり、体質によっては痒みを感じたり、かぶれてしまうこともあるらしい。

 花の受粉作業は主にアリが担っている。我が家ではクロヤマアリより小型の黒いアリがせっせと蜜を集めているのを見ることができる。


近縁種との違い:


 ニシキソウ・・・葉に斑点がなく、やや大型。果実が無毛。

 オオニシキソウ・・・葉に斑点が入ることもある。大型で果実は無毛。

 ハイニシキソウ・・・葉に斑点はなく、やや小型。果実に白毛がある。



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イヌカタヒバ

イヌカタヒバとは?




学名:Selaginella moellendorffii Hiern.
和名:イヌカタヒバ(犬片檜葉)
科属:イワヒバ科、イワヒバ属


特徴:


 シダ植物の仲間なので花は咲かなく、岩の上などに着生して育つ多年草だ。平面上に枝分かれをした枝に、鱗片状の葉がびっしり生えている様は興味をそそる。

 よく似た近縁種に「カタヒバ」という植物がある。イヌカタヒバの名前の由来は、そのカタヒバの”片側に向けて檜葉(ひば、ヒノキの葉)に似た葉が出る”が、カタヒバではないので区別するために「イヌ」を頭につけたらしい。

 イヌにした詳しい由来は調べたが分からなかった。だが一般的に接頭辞に「イヌ」を付ける場合は、基の植物が人の役に立つ場合、それを否定する”役に立たない”といった意味で使われるらしい。

 乾燥すると枯れたように皺くちゃに枝葉を丸めるが、水を与えると復活する。着生植物さまさまな耐乾性能力をもつ。

 琉球諸島に自生しているイヌカタヒバは絶滅危惧種に指定されているが、本州においては指定されておらず、繁殖力の強い帰化植物として警戒されている。

 その繁殖力の所以は、枝先に形成される「殖芽(しょくが)」によるところが大きい。殖芽とは栄養分を蓄えた子株のようなもので、種子のように拡散する。近縁種のカタヒバは殖芽を形成しない。

殖芽の拡大写真。大きさは1mm程度

気温が下がってくると、鮮やかに紅葉する。
鱗片状の葉がびっしりついた、葉の拡大写真。

栽培環境:


 放っておいている。



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2020年8月26日水曜日

カタバミ

 カタバミとは?





学名:Oxalis corniculata
和名:カタバミ(酢漿草、片喰、傍食)
別名:かがみぐさ、すいば、しょっぱぐさ、ねこあし など
科属:カタバミ科、カタバミ属
開花期:5月~10月
花言葉:喜び、輝く心


特徴:


 地下に球根を作るため、ちゃんと抜かないとまた生えてきてしまう雑草。繁殖力旺盛で匍匐茎をよく伸ばすが、草丈があまり高くならないので黄色の可愛らしい花を鑑賞する目的で生やしておいても良いかもしてない。食用も出来る。

 クローバーと間違われることもあるが、クローバーの葉は楕円形だがカタバミの葉はハート型になっている。クローバーと同様に四葉やそれ以上の葉がでる変異体が出ることもある。

 果実はオクラを小さくしたような形で、成熟していると触れた時に果実が弾けて種子を飛ばす。最大で1m程度飛ばすこともあるらしい。

 名前の由来は、夜になると葉を閉じ、半分(片方)食べ(食む(はむ))られたように見えることかららしい。

 花言葉の「喜び」は復活祭の時期に咲くことからで、「輝く心」の方はカタバミに含まれるシュウ酸を利用して仏具や鏡を磨いたことに由来する。

 園芸店で見かける「オキザリス」もカタバミの仲間だ。



カタバミの種類:


 アカカタバミ・・・上の写真のカタバミ。赤みがかった葉と黄色い花のコントラストが映える。

 イモカタバミ・・・非常に鮮やかなピンク色の花が目を引く種類。色の鮮やかさは芝桜の上を行くと思う。

 ムラサキカタバミ・・・イモカタバミと同じくピンク色の花を咲かすが、色味は淡く可愛らしい。



 ・園芸種は「オキザリス」と学名で呼ばれ、園芸店で売られている。


 バーシーカラー・・・蕾の時の白と赤の絞り模様が可愛らしい種類。一度咲いても夜になると花を閉じるので、絞り模様は何度も見れる。
 

 トリアングラリス・・・紫色の大きな三角形の3枚葉が特徴的な品種。葉は夜に閉じ、花色は薄ピンクで可愛い。

 デッペイ・・・四つ葉のクローバーそっくりの形をした4枚葉の種類で、ラッキークローバーという名前で流通していることが多い。写真は用意できなかった。

2020年8月25日火曜日

シラン

 シランとは?




学名:Bletilla striata Reichb. fil.
和名:シラン(紫蘭)
科属:ラン科、シラン属
開花期:4月~5月
花言葉:あなたを忘れない、変わらぬ愛
薬効:止血、鎮痛


特徴:


 ラン科の宿根草で、乾燥や過湿にも強く栽培しやすいため庭などに植えられることもある。地下に茎が肥大化した偽球茎(イメージとしては球根)と呼ばれる器官を作り、毎年新しい偽球茎から根や葉、花を咲かせる。その偽球茎は「白及(びゃくきゅう)」とよばれる漢方薬になる。

 ラン科の中では栽培繁殖しやすいため園芸店などではよく販売されているが、野生のものは準絶滅危惧種に登録されている。しかし栽培品の種子が飛散して繁殖することもあるので、自生種との見分けが難しいという。

 基本の花色は紫だが真っ白な花の「白花シラン」や、中心の部分がうっすらピンク色の「口紅シラン」など、変異種や交配種がいくつかある。葉に斑が入っているものもあるようだ。


病害:


 アブラムシ・・・我が家のシランでは蕾にたくさんのアブラムシがつく。捕殺するのが簡単でよいが、指で潰すとかなり指が汚れるので注意が必要だ。潰すのが嫌な場合は、アブラムシに対応したそのまま使えるスプレー式の薬剤を使うと手軽だ。

 さび病・・・カビの一種で、空気や水から伝染する病気だ。梅雨時期など、湿度が高い状態が続くと発症しやすい。水で溶いた重曹(濃度は0.1%)でも効果があるようだが、対応した農薬もあるので酷いようなら使うことを検討するとよい。ちなみに我が家では重曹を含め薬剤は使用していない。

さび病に罹った葉の裏


栽培環境:


 シランは非常に丈夫で家の横ちょの日陰や、駐車場などの砂利が多く、晴れが続くと乾燥しやすいところでも元気に育つ。我が家ではプランターと鉢植えにしている。

 用土は根腐れしなければなんでもよいくらい強健で、筆者は使い古しの余った土など、かなりいい加減な土を使って植え込んだ。好む土は山野草向けの配合のようだ。

 植え替えと株分けで余った偽球茎は、1年くらいバーミキュライトの上に置いただけのものが芽を出すほど強健なので、初心者でも栽培しやすいと思われる。3年~5年の周期で株分けなどの整理をして植え替えるとよい。



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2020年8月23日日曜日

エノコログサ

エノコログサとは?




学名:Setaria viridis
和名:エノコログサ(狗尾草)
別名:ネコジャラシ
科属:イネ科、エノコログサ属
開花期:8月~11月
花言葉:遊び、愛嬌


特徴:


 わざわざ書くこともないと思うが穂を振ると猫がじゃれつくことから別名「ネコジャラシ」といわれるが、一般にはこちらの名前のほうが馴染みがあるかもしれない。「遊び」という花言葉はこのことからきている。

 エノコログサという名前の方は風に吹かれて犬の尾のように穂が揺れることから、昔「犬っころ草」と呼ばれていたのが訛って「エノコログサ」になったという。「愛嬌」という花言葉は犬が尻尾を振る様からきているようだ。

 似た種類で「アキノエノコログサ」というものがある。違いを調べたのだが、穂が長く、垂れ、葉に短毛があるのがアキノエノコログサらしい。我が家に生えているものは、葉が無毛で、穂先がわずかに垂れるだけなので「エノコログサ」だと思われる。あとエノコログサの方が草丈が低いらしい。


食用利用:


 エノコログサは粟(あわ)の原種とされているので、他の穀物と同じ様に脱穀して食べることが出来る。尚、籾殻は柔らかいので取り除かなくても食べることが出来る。

 食べ方は一般的な穀物と同様で、米と一緒に炊いたり、製粉して麺などに加工することも可能だ。ちなみに筆者はゴマのように炒って、鶏むね肉にまぶし、アルミホイルでくるみ蒸し焼きにしてみた。

 味はエグみなどは感じることはなく、緑茶のような風味があって美味しかった。

脱穀してゴミや軽い実などを飛ばし厳選する。

少し苦目の草の匂いが落ち着くまで炒る

コショウやゴマのような感じで利用した



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